▼Katsuhiko Tokunaga 徳永 克彦
http://www.nikon-image.com/enjoy/interview/nps/magazine/worldphotographer/katsuhiko_tokunaga/
『航空写真家、徳永克彦と過ごすマニアの夕べ
小山千早(こやま ちはや), swissinfo.ch
2011-07-13 15:00
7月12日夜、チューリヒ市内のイベントホール、ライト&バイト(Light&Byte)に、カメラ好き、航空写真好きが集まった。300席用意された椅子はほぼすべて埋まっている。
ニコン(Nikon)が2日間にわたって開催するスイス空軍パトロール・スイス(Patrouille Suisse)の写真講演会「パトロールスイスと航空写真」の会場だ。
空軍パイロットを退役し、現在指揮官としてチームのトレーナーを務めるダニエル・ヘスリ氏(53)の隣には、航空写真家として世界的にその名を知られている徳永克彦氏(54)が立つ。
スピードとシャープな線が特徴のパトロール・スイス
徳 永氏は1988年以降、パトロール・スイスを空から撮影し続けている。ヘスリ氏とは長年の付き合いがあり、強い信頼関係で結ばれている。スイス人のウル ス・マットレ氏が地上で撮影した華やかな舞台の裏側など、今回公開される写真の中には初公開のものも多い。 今回の講演はニコンのニュースレターで通知されたが、「予想以上の反響で、チケットはすぐに完売してしまった」とマーケティング・コミュニケーション担 当のニコル・シュティーガー氏は驚きを隠さない。パトロール・スイスと徳永氏のコラボにマニアは食指を大きく動かした。 徳永氏から見たパトロール・スイスの魅力は「スピード」と「機体のシャープな線」。パトロール・スイスは他国のアクロバット飛行チームと異なり、練習用 航空機ではなく戦闘機を使用しているからだ。1995年以降は、タイガー戦闘機でアクロバット飛行を行っている。また、雄大なアルプスが連なるスイスの バックグラウンドはやはり他国では見られないものだと、講演前のインタビューで語った。
暗闇の中でメモ
写真講演会「パトロール スイスと航空写真」はヘスリ氏によるパトロール・スイスの紹介で始まった。徳永氏とマットレ氏の写真を次々に映し出しながら、さすが軍人だけあって大きな 声ではきはきと話す。説明の中にはジョークが散らばり、会場はリラックスした雰囲気だ。 ヘスリ氏は講演の中で、パトロール・スイスの特徴を「正確」「確実」「安全」とまとめる。徳永氏もまたインタビューの中でスイス人パイロットの特性を 「シリアスで正確」と表現した。 パトロール・スイスについてのヘスリ氏の講演が終わると、今度は徳永氏が英語で航空写真についての講演を行った。少々風邪気味のせいか静かな声で、だが 時折ジョークを交えて聴衆の笑いを誘う。 このような講演を行うのは年に3、4回だというが、仕事の内容から航空写真家として必要な訓練、機内でのカメラのセットの仕方、ソフトの扱い方まで幅広 いノウハウを伝授。マニアにはまたとない機会に違いない。話が撮影現場に移って具体的になってくると、身を乗り出して耳を傾け、画面を見つめる人が増え た。暗闇の中でメモを取る人もいた。
綿密な地上での準備
徳永氏はそもそも趣味が高じてプロの航空写真家になったという。すべて のアクロバット飛行チームを制覇したいと思い、これまでに世界中のおよそ30チームの写真を撮ってきた。そんな中でも「パトロール・スイスは世界的に欠か せないチームだ」と言う。 パトロール・スイスを誇りにしているヘスリ氏は、徳永氏について次のように語った。「今でも年に2、3人のフォトジャーナリストが来るが、彼はとにかく ベスト。航空術にも秀でているが、何を撮りたいかがはっきりしていて、地上での準備も綿密に行う。このような準備をするカメラマンはあまりいない。当初は 彼から頼まれて撮影に臨んでいたが、今ではこちらから来てくれと彼に頼んでいる」 徳永氏は現在、年に一度は必ずスイスへやってくる。「航空写真家の数は少ないから、私は幸運だった」と謙虚な彼は、講演後の相次ぐ質問にも一つひとつ丁 寧に答えていた。
小山千早(こやま ちはや), swissinfo.ch』
▼航空写真家、徳永克彦と過ごすマニアの夕べ
http://www.swissinfo.ch/jpn/detail/content.html?cid=30674662
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